トレードにおいて常に議論されるのが、
「逆張り」と「順張り」のどちらが
優れているかという問いです。
一見すると、
正反対のアプローチに見えますが、
どちらも本質は
「相場の流れをどう解釈し、
どうリスクを取るか」
に集約されます。
つまり、手法そのものよりも
「状況に応じた使い分け」が鍵です。
まず順張りは、
既に動き出した流れに乗るスタイルです。
トレンドが明確に出ている場面では、
順張りが最適です。
なぜなら、相場の勢いに背を向けず、
そのまま伸びる方向に資金が集中する
傾向があるからです。
移動平均線が右肩上がりで、
出来高が増加している局面では、
順張りに優位性があります。
このときの判断基準は、
「価格が高いか安いか」ではなく、
「上がりやすい環境が整っているかどうか」
に着目することです。
環境とは、
・テクニカル指標の整合性
・テーマ性
・直近の相場全体の流れ
などを含みます。
一方、逆張りは、
多くの人が恐れて売却する局面で、
安値圏からの反発を狙うスタイルです。
急落後の過剰な売られすぎ状態や、
重要サポートラインへの接近など、
相場の「行き過ぎ」に対する反動を利用します。
ここでの判断基準は、
「短期的に過熱、
または過冷却しているかどうか」
です。
RSIやボリンジャーバンド、
出来高急増などが参考になります。
ただし逆張りは、
「下げ止まりの確認」が必要です。
飛びつくのではなく、
相場が落ち着いてから段階的に入る姿勢が、
期待値を安定させます。
そして最も大切なのは、
「どちらの手法を採用するかを、
事前に決めておく」
という設計思想です。
トレードは“感情との戦い”でもあり、
ルールがないと判断がぶれます。
特に逆張りと順張りは、
似たような価格帯で真逆の判断がされるため、
曖昧な基準では混乱を招きます。
したがって、
・順張りはブレイク後3%で
・逆張りはRSI20かつ5日移動平均にタッチしたら
など、具体的な条件を事前に決めることが、
継続可能なトレードにつながります。
逆張りと順張りに優劣はなく、
求められるのは
「環境認識の力」と「ルールに従う意志」
です。
すべての判断基準は、
長期で再現できるシナリオの
一部であるべきです。
勝つための基準は、自分の中に
あらかじめ設計しておくものです。